
テーブルを通して、現代の家族の問題を照らし出しています。
ヴァイオレットの視点からかかれています。
ヴァイオレットは、
あのテーブルを なつかしく 思いだす
いっしょに おかいものをして
テーブルに 食器を ならべ
お料理を して
ろうそくを ともして
おしゃべりした
食卓を囲む時間
いまは・・・
みんな いそがしい
おとうさんは 大画面の テレビ
チャットをする おかあさん
オンラインゲームに むちゅうの おにいちゃん
ある日
ヴァイオレットは、はっとした
なにかが 前とは ちがう
テーブルが ちぢんじゃった!
つぎの日
テーブルは もっと ちぢんでいた
どんどん ちぢんで
ヴァイオレットの手に のるほどに なった
そして
まばたきを したとたん きえてしまった
ヴァイオレットは なにを すべきか わかっていた
おとうさん
おかあさん
おにいちゃん
みんなで いっしょに テーブルを つくろうよ!
いいね!

テーブルは ついに かんせいした
家族が あつまり、
かたりあう 場所が できた
まえのより もっと がんじょうで
もっと すてきな テーブルが
家族を もういちど であわせてくれた
・・・
「スマホ依存」「家族の希薄なコミュニケーション」など、ヴァイオレットの家族の問題がえがかれています。テーブルがだんだん縮んで消えてしまうところに、家族の問題が象徴的に表現されています。現代の家族に共通する問題です。絵本は、家族が食卓を囲むという営みに問題解決の糸口をみいだしています。「食」は、生きる上で、根源的なことです。
もう一度、みんなでテーブルを作ろうとする場面(上の絵)から、紫一色の絵から、ゆたかな色彩の絵にかわります。
・・・
※『すてきなテーブル』 ピーター・レイノルズ絵・文、島津やよい訳、新評論 2021年 (2025/5/14)