
芝生(草)の なかには、いろいろなものが いる。
芝生(草)は いろいろなことに 役立っている。
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木の上から 見ると、
くさは じゅうたん。
虫になって見たら、くさは ジャングル。
草には、虫たちが いっぱい!
草が深くて、
えものをさがす クロウタドリには たいへん。
草を ムシャムシャ 食べるのは だあれ?
牛たちには、草は あまくて 新鮮な ごちそうです。
ぼくたちが
裸足で 歩けば つめたくって 気持ちが いい。
「しばふに はいらないで ください」
でも、リスの ぼくには、関係ない。
ここに 住んでいるんだから。
雨が降ったら、ピクニックは 台無し。
でも、
雨は 草を育てる。
雨がすきな 動物もいる。 かえる。

草が 短ければ、あそんだり やすんだりできる。
草が 長ければ、ウサギには 安全な巣になる。
「しばふなら さかだちが できる! きみにも できる?」
「ぼくには できぬ。ぼくは いぬだよ」
ここほれ わんわん、ほね うめろ!
じめんのなかで おおきく なあれ!
干し草山に のぼって あそぼう。
たのしいよ。
くさがあるって、ほんとうに しあわせ!
私たちにとって、芝生(草)は、遊び場。おどったり、寝ころがったりできるところです。草の上で、思いっきり遊んでごらんなさい、と誘っています。
また、干し草をつくるところです。虫、牛、鳥にとっては、別の意味をもちます。天敵から身を隠す場所でもあります。芝生(草)は、いろいろな意味と価値を持っています。
「人間にとって 草は・・・、動物たちにとって 草は・・・」の対比的な形で、おはなしが進みます。リズムのある文章、テンポのよい文章です。
デュボアザンの絵には、ユーモアの感覚もあります。
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※『しばふって、いいな!』レオーネ・アデルソン文 ロジャー・デュボアザン絵 こみやゆう訳 瑞雲舎 2020年 (2025/1/31)