乗り物絵本ですが、どこへ行くのでしょうか。絵をたのしむ絵本です。
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電車が「がたごと がたごと」出発します。
街中から、
田園、
山の中、
そして、おくやま駅へ。
お客が降り、お客が乗ります。
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トンネルを通り、
不気味な山へ、
雷がなり、
よつつじ駅へ。
お客が降り、お客が乗ります。
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がたごた がたごと
鉄橋を渡り、
がたごと がたごと
北斎の絵のような、江戸時代の風景の中を
電車が通ります。
城下町をとおり、
チャンバラ駅に着きました。
お客が降ります ぞろぞろ ぞろぞろ
次に向かうのは、どうやら海の中の竜宮城のようです。
始めの駅(上の絵)で乗ったのは、新婚旅行のカップル、団体旅行の人たち、登山客、子ども連れのおかあさんんたちだったのに……。
おくやま駅(下の絵)で降りるのは、たぬき、きつね、熊、猿、ぶた、ひつじ、馬たちです。でも、よく見ると、姿は動物にかわっていますが、さっき乗ったお客さんです。
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よつつじ駅で降りるのは、鬼、骸骨、ひとつ目小僧、ろくろっ首などのお化けや妖怪たち。チャンバラ駅で降りるのは、蝦蟇の術を使う児雷也、武士、芸人、町人、お姫様たち。列車に乗る人が、降りるとき、妖怪や武士や町人に変身しています。どの人物がなにに変わったのかを発見する楽しみがあります。
ページはめくるだけではないんですね。ページをひっくり返して見てください。
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※『 がたごと がたごと 』 内田麟太郎作、西村繁男絵、童心社 1999年 (2020/5/21)