
「まゆちゃん、おとうさん・・・おしごとで おそくなるって」
「えーっ、おとうさん えほんを よんでくれるって やくそくしたのに」
「おとうさん、ごめんねって いってたよ」
おとうさんのことを 想像する まゆちゃん
想像は どんどん ひろがります
もうじき、おしごとは おしまい
ほら、電車に 乗った
駅をでたら ながーい 商店街
おとうさんは 川沿いの 道を あるいてる
川には カッパの ガタロウが すんでるんだよ
あ!
おとうさん、たいへん!
ガタロウだよ!
ガタロウは、足が はやい
おとうさんは、いっしょうけんめい はしってる
(みんな、まゆちゃんの 想像です)
いま、橋を わたり
さかみちを のぼり
マンホールを とびこえ
(絵のなかに、おとうさんを 追いかける ガタロウがいます)
あ! いきどまり!
でも、傘を とりだし
ひゅうぅ~
空に 舞いあがる

風が つよくなったよ
どこへ いっちゃうの?
おとうさんは 公園の すべりだいに 着地
おとうさんは いま 階段を のぼってくる
5階まで のぼって
「おかえりなさーい!」
「よく わかったね ただいまー!」
・・・
おとうさんの帰宅を待つ、まゆちゃんのこころに中を描いた絵本です。まゆちゃんの想像には、カッパのガタロウが出てきたり、おとうさんは傘で空をとんでいたりと途方もないことが起こりますが、まちゃちゃんのおとうさんのことを心配するやさしさがうみだした想像です。
おとうさんとの約束の絵本を読んでもらうことは、さいごのページの絵に表現されています。ささめやさんの絵の雰囲気は、まゆちゃんの想像の世界とぴったりあつています。響きあっています。
・・・
※『おとうさんは、いま』 湯本香樹実文、ささめやゆき絵、福音館書店 2016年








