ふるはしかずおの絵本ブログ3

『おじいちゃん、おぼえてる?』- 認知症 のおじいちゃん

認知症のおじいちゃんに向き合う孫娘のジョージ―をえがいた絵本。

  

   

施設のおじいちゃんを おとうさんと 訪ねる ジョージ―。

 

 「きょうは おじいちゃん、わたしのことを わかるかな

    

そらいろの ドアを あけると、

おじいちゃんが すわっていた。

つみあげられた 新聞が 高いビルのように ならんでいます!

 

   

 「おじいちゃん こん にちは」

 「はい、こんにちは」

  

  

「おじいちゃん、ジョージ―よ。おぼえてる?」

「おとうとは おぼえているよ

 ふたりで、おたまじゃくしを かんに いれたんだ」

  

   

 「ねえ、わたしのこと、おぼえてる?」

 「かあさんは おぼえているよ。だいどころでね パンをやいてくれたな」

  

 「ねえ、おじいちゃん、わたしのこと、おぼえてる?」

 「ジャングルのあめは、ひどかったなあ。

  かぜが ごうごうふきまくって・・・ああ、こわかった」 

  

  

ジョージ―は。おじいちゃんに しがみつきました。

  

 「おじいちゃん、もう こわくないよ」

     

ジョージ―は、新聞帽子をかぶった、家族の写真をみせて、いいました。

   

 「しんぶんぼうし、おじいちゃんが 

  つくってくれたんだよね。おぼえてる?」

 「ああ、よくつくったね」

   

 「みんなで しんぶんぼうし つくろうよ!」

   

たくさんできた新聞帽子を おじいちゃんの友だちにも くばりました。

      

       

そのとき、

おじいちゃんのぼうしが ふわっと かぜに まいあがり

飛んでいって しまいました。

   

 「おじいちゃん、またあたらしいものを つくろうね」

   

おじいちゃんは こたえました。

 

 「ああ、つくりかた、ちゃんとおぼえてるよ」

   

        ・・・

ジョージ―は何回も認知症のおじいちゃんにききました。「わたしのこと、おぼえてる?」と。くりかえされるこの言葉から、彼女の切ない気持ちがわかります。子ども時代の弟との思い出、パンを焼いてくれたおかあさんのことは、はっきり覚えているのに、今の「わたし」のことがわからないおじいちゃん。でも、新聞紙の帽子がふたりのこころをつなぎました。

      

見返しの部分に新聞記事が描かれています。新聞紙は過去のできごとがつまったものです。おじいちゃんがどんな生きていた時代を示しています。

    

        ・・・

※『おじいちゃん、おぼえてる?』 フィル・カミングス文、オーウェン・スワン絵、福本友美子訳  光村教育図書 2016年

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