
えんどうまめばあさんと
そらまめじいさんは、とっても 働きもの。
でも、ひとつだけ 困ったことが ありました。
それは、
仕事をしていても
ほかに したいことがあると、
すぐに はじめないと 気がすまないこと
そんな ふたりの 忙しい一日です
お昼ごはんのとき、
おばあさんは 思いだしました。
「えんどうまめの つるに、ぼうを 立ててあげなきゃ」
畑に いくと、
草が のびていました
おばあさんは、ぼうを たてるのを 忘れて
草取りを はじめます
草を
うさぎに 食べさせようとすると、
うさぎ小屋の かなあみが こわれています
おじいさんを よびました
おじいさんの 作業着に 穴が あいています
「そうそう これに つぎを あてるんだった」
つぎあてが おわって
小屋にいくと うさぎが いません
おじいさんは
キャベツ畑で とびまわる うさぎを
つかまえよう おいかけますが
つかまえることが できません
そこで
小屋の かなあみの 修理にもどると
かなあみではなく
納屋の屋根を なおし はじめます

このあとは・・・
野菜のスープを つくり
食事を して
寝ようとすると
えんどうまめに ぼうを 忘れていたことに 気がついて
ふたりは、暗くなった 畑に ぼうを たてにいきます
「こんなに よく はたらいたんだも
こんやは さぞかし ぐっすり ねむれるよ」
ふたりは あさまで ぐっすり ねむりました
・・・
気になることがあると、すぐに始めないと気がすまない、えんどうまめばあさんと そらまめじいさん。だから、いつも大忙しです。ふたりのドタバタをユーモラスに描いています。ふたりは、「きょうも よく はたらいた」と満足気です。誰にでもありそうなことです。人物への共感がうまれます。
表見返しと裏見返しの絵は、ふたりの家と庭を描いていますが、すこしちがっています。違いをさがす楽しみがあります。
・・・
※『えんどうまめばあさんとそらまめじいさんの いそがしい毎日』 松岡享子原案・文、降矢なな絵、福音館書店 2022年 (2025/6/9)