ふるはしかずおの絵本ブログ3

『うさこちゃんの たんじょうび』

うさこちゃんの 誕生日を みんなが お祝いします。

    

ある朝、

うさこちゃんは

早起きして

頭から 顔から 足の先まで きれいに あらいます

そして

大好きな 花柄のワンピースを 着ます

      

きょうは うさこちゃんの お誕生日です

とうさんと かあさんが いいました

   

 「おめでとう

    

 「ありがとう

  と、うさこちゃんは いいました

      

     

うさこちゃんの いすは 花のいっぱい ついています

うさこちゃんのふくと おんなじです

   

プレゼントは

はさみ

いろえんぴつ 

あかいよびこ(呼び子)です

     

     

おともだちが ふたり やってきて

「うさこちゃん おたんじょうび おめでとう」

と、いいました

                      

みんなで、パーティ

にわで ぼーる遊び

げーむを して あそびます

    

よるに

おじいちゃんと おばあちゃんが

くまの ぬいぐるみを プレゼントします

  

 「あたし きょうから くまさんとねる

      

みんなで よるの ごちそう

うさこちゃんは くまさんを だいて べっどに はいります

   

 「かあさん ほんとに ありがとう

  たのしかった!

     

           ・・・

子どもの好きなことや知っているものが、たくさん出てきます。誕生日のプレゼント、「おめでとう」という祝福のことば、ボール遊びやゲーム、くまのぬいぐるみ、誕生日のご馳走、そして寝ることです。読者も、しあわせな気持ちになれます。

   

子どもの絵本として、「うさこちゃん」シリーズは定番で人気があります。

でも、なぜでしょうか? みなさんが指摘するように、シンプルなフォルム、人物のわかりやすい表情、限られた色、無駄のない背景、一言で言って安定した絵本の世界です。また、くっきりと描かれた輪郭線が、人物とものをしっかりと世界に定着させます。

      

子どもの周りは、いろいな「もの」や「こと」でいっぱいです。また、動きがあり、変化に富んだ世界です。でも、「うさこちゃん」の絵本には、安定と秩序感があります。読者の子どもたちは、安心して読めるのではないかと想像します。  

         

しかし、「うさこちゃん」の物語も、「はじめ」「つづき」「おわり」と展開し、動いていきます。また、絵の表現にも、人物や世界の動きが隠れています。こうしたことを考えると、「ものごと」の絵本から、「そして」「そして」のストリー性のあるおはなしへと踏み出そうとする子どもにとって、その入口になる絵本です。「ものごとの絵本」と 「ストーリー性のある絵本」の中間にあるような絵本です。

     

        ・・・

※『うさこちゃんのたんじょうび』 ディック・ブルーナ文・絵、いしいももこ訳、福音館書店 1982年  (2026/4/26)

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