
イソップ寓話『よくばりな犬』が原型の絵本です
サイモンは 池のそばで ほねを 見つけました
おおよろこびの サイモン
あれっ
サイモンが 池を のぞきこむと
自分に そっくりの犬が、大きな骨を くわえています
ぼくの骨より おおきい
「こんにちは。あのさ、ほねを とりかえっこしない?」
返事が ありません
「へんじも しないなんて しつれいだな!」
「にらめっこ しようよ!
勝った方が おおきなほねを もらえるんだ!」
サイモンは
おかしな顔を しました
すると、相手も おかしな顔を します
サイモンは
じぶんの しっぽを おいかけ ぐるぐるまわり
死んだふりを したり
はな歌を 歌ったり します
もちろん 池のなかの いぬも 上手に できました
こうなったら・・・
えいやっと とびかかり ました
「その おおきなほねは ぼくのものだ!」
ポチャン
「ああ、きみも ほねを なくしちゃったんだね」
そのとき、サイモンは
むこう方に なにかを 見つけました
ほねだ
さっきのより おおきい
サイモンは、池に やってきて 言いました
「ほら、これ きみに あげるよ!」

サイモンは 池の中に ともだちを 見つけたのでした
・・・
サイモンが話しかけたのは、池にうつった自分。もう一人の自分に向かって、にらめっこしたり、じぶんのしっぽをおいかけ、ぐるぐるまわり、死んだふりをしたり、はな歌を歌ったりします。池の犬がくわえている大きな骨がほしいのです。 えいやっと とびかかり、持っていた骨をなくしてしまいました。
サイモンは、もうひとつ別の骨を見つけ、その骨を池の犬に「ほら、これ きみに あげるよ!」と言っています。「欲張ると、元も子もなくしてしまう」という教訓のイソップ寓話とは違う結末です。現代の寓話になりました。
・・・
※『いぬのサイモン ほねがほしいもん』 コーリー・R・テイバー作、よしいかずみ訳、化学同人 2024年 (2025/11/3)









