お弁当を持って、いかだに乗って、海へいく　どうぶつたちのはなしです。

　　　

　　　　　　　

いかだを　つくっている　くまくん。

　　　　

海で　おべんとうを　食べようと思います。

りすちゃんが　声を　かけました。

　　　

　「あたしも　のせて！　おべんとう　もっていくから」

　「いいよ」

　　　　　　　

　　　　　　

きつねどんが　声を　かけます。

　　　

　「くまくん　りすちゃん、どこさ　いくだ？」
　「うみ」

　「つれてってくれよう」

　「いいよ。おべんとう　もっているんだろ？」

　

　　　　

うさぎこちゃん

やぎごろう

かぶとむし

てんとうむし

きりぎりすが

おべんとうを　持って　いかだに　のりました。

　　　

　　

　

みんな、おなかが　ぺこぺこに　なりました。

　　　

　　　

　ざざさざ　どど　どどどん

　しゃら　しゃら　しゃら　しゃら

　　　

　　　　　

海が　みえました。

いかだは　ぴしゃぴしゃ　すすんで、

海に　つきました。

　　　

みんなは、

浜辺に　おりて　おべんとうを　ひらきます。

　　　

　「さ、たべようっと」

　「たべましょ　たべましょ」

　「ほい、たぺるぞー」

　「たべる　たべる　たべるー」

　　　　　

　　　

なにを　たべているのかな？

　　　

　「おいしそう！」と　おひさま

　「みんなの　おべんとう　みてくるか」と　うみ

　　　

　ざざ　さざ　どどん　どどどん

　しゃら　しゃら　しゃら　しゃら

　　　

おひさまと　うみは　うらやましそう。

　

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くまくん、りすちやん、きつねどん、うさぎこちゃん・・・身近な人物たちが、おべんとうを持って、いかだの川下りをして、海でおべんとうを食べるという、シンプルなはなしですが、食べること、遊ぶことなど、子どもに魅力のある題材がいっぱいです。「ざざざざ　どど　どどどん　しゃら　しゃら　しゃら　しゃら」のオノマトペも、そのひとつ。おひさまや　うみも、人物となって、登場します。また、おなかが空いて、お弁当を食べたいのに、なかなか海につかないところは、読者をヤキモキさせます。

　　　　　　

子どもたちは、お弁当の中身はなんでしょうか？　絵を見ると、くまくんのイチゴジャム、きつねどんはいなりでした。おいしそうで、読者は食べてみたい気持ちになるでしょう。

　　　　　　　　

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※『いかだは ぴしゃぴしゃ』　岸田衿子作、堀内誠一絵、福音館書店　2021年（初版 2004年）　　（2025/1/21）