
「あなたって ほんとに しあわせね!」って、
絵本のなかに、2回 でてきます。
どのような時に 誰が誰にむかって 言っているのでしょうか?
おかあさんに 赤ちゃんが うまれたの
わたしの ちいさな おとうと
おとうさんと おかあさんの どちらに 似ているかしら
と、聞かれたから、わたし、言ったの
「つぶれた いちごみたい」
たくさんの ひとが わたしの おとうとに 会いにきたわ
みんな、わたしに 言うの
「あなたって ほんとに しあわせね!」
わたし
あかちゃんが いることに 慣れるのに
ずいぶん 時間が かかった
あかちゃんとは 遊べない
あかちゃんは さわがしくしても だれも 怒らない
おかあさんと いっしよに 遊びたかった
わたしも あかちゃんに なりたかった
おかあさんが 疲れてしまった
「だれか わたしを てつだってくれるの だったら・・・
おおきな おんなのこが いいな」
「できるかも しれないわ」
わたしは
あかちゃんを あやしたり
髪を とかしたり
絵本を みせたり
おどって あげたり
いっしょに おふろに はいったり・・・
いまでは、あかちゃんは わたしのことが いちばんすき

わたしが おとうとと いっしょにいると
みんな、こう いうわ
「このあかちゃんって ほんとに しあわせね!」
・・・
わたしに弟ができて、みんなが言いました。「あなたって ほんとに しあわせね!」。でも、嬉しいんだけれど、やきもちを焼く気持ちもある わたし。あかちゃんのことを「つぶれた いちごみたい」と、憎まれ口を言っています。
でも、最後は、わたしが弟を世話している様子を見て、みんなが言いました。「このあかちゃんって ほんとに しあわせね!」。この言葉を聞いた、わたしはきっと思ったことでしょう。「わたしも ほんとに しあわせ」と。
お兄ちゃんやお姉ちゃんになった子に、読んであげたい絵本です。「わたし」の揺れ動くこころが丁寧に描かれています。
・・・
※『あなたって ほんとに しあわせね!』 キャスリーン・アンフォールト作、星川菜津代訳、童話館出版 1994年 (2025/10/5)









