ふるはしかずおの絵本ブログ3

『あくま』- 昔話を読むことについて考える

「魔女」と「あくま」がでてくる昔話のなかの ぼくの冒険です。

    

      ・・・

ぼくは、昔話のなかで、歩いています

  

おおきな 山

おおきな 川

を越えると、

  

  

ぼくは、おそろしい魔女に あった

魔女は ぼくと ともだちに なりたいといった

 

   

ぼくは だまされなかった

魔女を レーザーガンで やっつけた

   

   

 でも、死なない

 

    

あくまが やってきて、魔女をころした

あくまも ぼくと ともだちに なりたいった

 

  

ぼくは 昔話から にげだした

ぼくは 家へ帰って こんなことを考えた。

 

 あくまとともだちにならなくて

 そんしたんじゃないかって

    

           ・・・

友だちになりたいという「魔女」と「あくま」。ぼくは、レーザーガンで「魔女」を撃ち、「あくま」を拒絶して、昔話の世界から出ていきます。でも、「あくま」と友だちにならなくて、損をしたかも知れないと思っています。

       

おはなしの世界は、ぼくの体験の幅をひろげます。他者の理解をふかめ、自己を知る機会となります。その意味で、「ぼく」は、おはなしの世界で「あくまとともだちにならなくて そんした」のかもしれません。

      

それでも、ぼくは「そんをしたかもしれない」という考えを持つことができました。

     

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※『あくま』 谷川俊太郎詩、和田誠絵、教育画劇 2024年(2007年初版)  (2024/11/18)

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