![](https://ehon.furuhashi-kazuo.com/wordpress/wp-content/uploads/2019/07/-2-e1563270820129.jpg)
タイトルの「あおのじかん」とは何でしょうか?
太陽が沈み、夜がやってくるまでのひと時、
あたりが、青い色に染まる時のことです。
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青い色をした動植物が、たくさん登場します。
アオカケス、
あおいホッキョクギツネ、
コバルトガエル
アオガラ、
あおく光るイワシの群れ、
あおい フサホロホロチョウ、
あたりは、あおいベールにつつまれて、しんと静まりかえる。
モルフォチョウが、虹色の羽をふるわせるころ……
やぐるまぎく、
ほたるぶくろ、
わすれなぐさ、
すみれが香りを放つ。
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ブルーレーサー(ヘビ)は、からだを枝に巻きつける。
ルリツグミのあおい卵にひびがはいる。
青みがかったネコが、夕闇に消えていく。
あおい カタツムリ
オガワコマドリ、
ルリノジコ、
オウギバト、
セイキチョウ。
・・・
シロナガスクジラが、深呼吸をする。
アオミノウミウシ、
ヒョウモンダコ、
スミレサギ、
ブルーモンキー、
群青色のイトトンボが、ルリハツタケにとまったら……
あおの時間は終わり。
夜の闇がつつみこむ。
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青、蒼、碧。
なんて複雑で美しい「あお」の世界でしょう。鳥獣虫魚の青、植物にも青があります。ページをめくるたびに、水色、そらいろ、紺色、藍色、群青色へと深まる青。闇の世界がだんだん近づいてきます。青には白と黒がふくまれる。青白い世界と青黒い世界です。また、モルフォチョウの羽をふるわせる音、すみれの香りのある世界です。
絵本で使われた32色の「いろいろな あお」が、見返しのところにあります。みんな違う「青」、でもみんな同じ「青」です。色を楽しむ、絵を楽しむ絵本です。
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※『 あおのじかん 』イザベル・シムレール文・絵、石津ちひろ訳、岩波書店 2016年
【 追 記 】
「あおのじかん」があるなら、「きいろのじかん」や「あかいじかん」「しろいじかん」もあることでしょう。世界を「あお」「きいろ」「あか」「しろ」から見ることで新たな発見があるかもしれません。 (2019/8/6)