ふるはしかずおの絵本ブログ3

『もけら もけら』-音楽を表現した絵本

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『 もけら もけら 』 は、

すべて、

まったく意味のないことばによって、 構成されています。

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もけら  もけら  でけ  でけ

ぱたら  ぺたら

ぴた  ごら  ぴた  ごら

ころ  もこ  めか  もけけ  け  け  け

しゃばた  しゅばた  しゃばた  ぱたさ

           ・・・

こんな調子です。

ぱたら、 ぺたら、 ごら、 めか などの ことばには、意味が ありません。「 意味 」 を 欠いて いますので、 ことばの 「 」 と 「 」 がめだつのです。

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『 もけら  もけら 』 は、

「 音 」 のおもしろさを追求しています。絵本で音楽を表現するのが、ねらいなのかもしれません。読み手は、 ことばの演奏者です。

     ・・・

でも、

ストーリーもえがけます。

「 もけら もけら 」 と呼ばれる人物が、

「 でけ でけ 」とやってきて、

「 しゃばた  しゅばた  しゃばた  ぱたさ 」 と歌をうたい、

いろいろな遊びをくりかえし、

「 すばらば 」 といって去っていく おはなし。

そして 、最後に、

だば!

喜びの 声をあげるのです。

        ・・・

さて、この絵本から、子どもたちの音楽的表現や身体的表現をたくさん ひきだしてみましょう。

  ごろ  がら  ぐれ  もが

  ごあら  ごあら

  がら  がら  がら  とばた  たん

  たばた  たん

  すばらば

  だば!

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子どもたちは、 これらのことばをどのように読むのでしょうか?

また、

どのような  楽器で、

どのような  リズムで、

どのような 身体の表現をするのでしょうか?

想像の楽しみはつきません。

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※ 『 もけら  もけら 』 山下洋輔ぶん、 元永定正え、 中辻悦子構成、 福音館書店 1990年発行

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