鳥たちの 　 くちばし自慢の  　おはなし です。

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ヒタキが、

ハエや　

チョウを　

つかまえて　  飲みこみ ました。

でも、

　　　もう 、  たべものを　 つかまえる のは  　あきあきしたわ。

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ヒタキは、

立派なくちばしの 　 鳥が　

うらやましくて　  なりません。

シメ、

イスカ、

シギ、

カモ・・・

に 会うたびに　

こんな　 くちばしが あったら、  と 思います。

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　 　シメ　　　　   さくらんぼの種を　 かみくだく 　くちばし

　 　イスカ　　　   もみの実を　 むきだす　  くちばし

　 　シギ　　　　   虫を　とりだす　 ながい　くちばし

　 　カモ　　　 　  えさを　 すくえる　 くちばし

　 　ヨタカ　　 　   虫取り網を　もった　くちばし

　 　ペリカン　　   魚を　 すくえる　 大きな　 くちばし

　 　キツツキ　　  「ぼくの　くちばしは　のみなんだ！」

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鳥たちが、

自分の　 くちばしの  　自慢をはじめました。

だれの 　くちばしが  　いちばん　  りっぱかを　

決めようとした　

そのとき、

　　　　　　　

 　　あ っ ！

　　　　　

ヒタキは、

オオタカに

さらわれて 　しまいました。

のこった 　 とりたちは 　 吃驚仰天。

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　　 それで、  だれの　 くちばしが　 いちばん　 いいのか、  
　　いまでも　 わからないのです。

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寓話的な　おはなしです。

くちばしは、　

      り っ ぱ（ 美 ）か、

      い い 　（ 善 ）か　

では 　ありません。

どのような　 働きを　 しているのか、

      用（ 役に たつ ）の　 観点です。

形によって、  できることが 　 ちがいました。

でも、

それは 　えものを　 とるための　 形。

生き方に　 あった  　くちばしの 　形です。

          ・・・

薮内正幸さんの    絵は、

鳥たちの   すがたを 　 いきいきと 　 描いています。

そして、

鳥たち の

こころ さえ　

表現している　  ようです。

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※ 『 くちばし どれが 一番りっぱ？　』    ビタリー・Ｖ ・ ビアンキ作、  田中友子訳、   薮内正幸絵、  福音館書店  　2006年