ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 ふつうに 学校に いく ふつうの日 』- ふつうの 子が ふつうでなくなる 授業

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ふつうの男の子の 、学校での特別な一日です。

     ・・・

ふつうの男の子が、

ふつうの 夢から  さめて、いつもように、

ふつうの服を  きて、

ふつうの朝ごはんを  たべて、

ふつうの歯を  みがいて、

ふつうの学校に でかけました。

  ( 絵は モノクロ調。)

     ・・・

教室にはいると、

ぜんぜん  ふつうじゃないことが  おきたのです・・・・・

「 諸君、 おはよう ! 」

ぜんぜん ふつうじゃない ギー先生。

ギー先生は、 いいます。

音楽をきいて

頭のなかに  絵を思いうかべてごらん。

     ・・・

 ダダダダ  ドドーン、

 バーン、 ジャジャーン。

   ・・・

ふつうの男の子はいいます。

  先生、 ゾウがみえました、 何百頭も !

     ・・・

 こんどは、思いうかべたことを ことばでかいてくれるかな。

     ・・・

ふつうの男の子は  書きはじました。

いいたいことが  いっぱい です。

ことばが  洪水のように  でてくるのです。

・・・ことばはいまや、 男の子の おもちゃでした。

     ・・・

象の  背中にのったり、

イルカにつかまって 海にもぐったり、

鳥といっしょに  空をとんだり、

想像は  どんどん  広がります。

ふつうの男の子は  すっかり  夢中。

 ( ギー先生の登場から、 絵は、色彩ゆたかになっていきます。 )

    ・・・

その夜、

ふつうの男の子は、

ふつうのパジャマを  きて、

ふつうの歯を  みがいて、

ふつうのベッドにはいって  ねむりました。

でも、

ぜんぜん  ふつうじゃない  夢を見たのです・・・・

     ・・・

ギー先生は、 音楽から、 イメージを創造し、

ことばで表現してごんなさい、

といっただけでした。

でも、

そのことで、

ふつうの男の子は、

目覚め、

おはなしを創造したのです。

そして、

自分のなかに、

おはなしを創造する力があることに気づいたのです。

     ・・・

※ 『 ふつうに 学校に いく ふつうの日 』  コリン・マクノートン作、 きたむらさとし絵、 柴田元幸訳、 小峰書店   2005年

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