ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 ココロの ヒカリ 』-宇宙につながる ココロのヒカリ

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『もこもこもこ』(1977年)のコンビ、
詩人・谷川俊太郎さんと画家・元永定正さんの絵本です。
谷川俊太郎さんが、文(詩)を書いています。
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ココロのヒカリは いつうまれるの?
たのしい きもちに なった とき?
だれかとキモチが ひとつになるとき?
みんなでおんなじ うたうたうとき?

ココロのヒカリは ときにワになり、
ときに バラバラ。
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ほのかにかがやく ココロのヒカリ。
にこにこわらう ココロのヒカリ。

どこかとおくにかくれても、
つむじかぜと なって まいあがっても、
ウチュウにつながる ココロのヒカリ。

はるかかなたに ココロのヒカリ、
なぞなぞ みないな ココロのヒカリ、
ひとり ひとりの ココロのヒカリ。

ココロのヒカリで よがあける。
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元永さんの抽象的な絵画の力強さ、タイポグラフィ(活字の色や字配りなど)のおもしろさ。デザイン的で、読者を引きつける力をもった斬新な絵本です。
ところで、「ココロのヒカリ」とは、文字通り、わたしたちの心の喩えですが、ひょっとすると詩のことかもしれません。詩による詩論 ? 
ココロのヒカリ(詩)は、人を結びつけるワ(輪・和)になったり、ときにバラバラであったりします。しかし、ほのかにかがやいたり、にこにこわらっています。なぞなぞみたいに よくわからないときもあります。いろいろな個性をもっています。 そして、ウチュウと繋がっているココロのヒカリ。個人的なものでありながら、どこにあっても、宇宙( 無限の空間と時間 )とつながるココロのヒカリです。
ココロのヒカリで よがあける」。そのようでありたいココロのヒカリ(詩)です。
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※『 ココロの ヒカリ 』 谷川 俊太郎作、元永 定正絵 文研出版 2010年 (2017/5/13)

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