ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 はなの すきなうし 』- 世のなかには、花のすきな牛もいるのです
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ひさしぶりに 読みました。 

ふぇるじなんど を ありのままに 受けいれる おかあさんの愛に 気づきました。原作の出版は 1936年です。

     ・・・

むかし、

すぺいん に    

ふぇるじなんど

という こうしが いました。

ふぇるじなんどは 

いつも ひとり しずかに 

花の匂いを かいでいるのが 好きな こうしでした。

     ・・・

年が たち、

ふぇるじなんどは 

おおきく つよく なります。

ある 日、まどりーど から 男たちが 闘牛をさがしに やってきました。

     ・・・

そのとき、

ふぇるじなんどは

くまんばちに 刺され うなりごえを あげ

とびあがり 大暴れ。

     ・・・

  まどりーどの だいとうぎゅうじょうに  

 もってこいの うし !

  ( でも、それは  かんちがい。 )

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男たちは、ふぇるじなんどを 闘牛場へ。

     ・・・ 

闘牛場は、  

ひとで いっぱい。 

らっぱが なり

拍手喝采。

でも、

ふぇるじなんどは、

女のひとの 花のにおいを かいで、うっとり

闘牛には 知らん顔 です。

     ・・・

たたかわない

ふぇるじなんど。

花の においいを かいでる ふぇるじなんど。

     ・・・

ふぇるじなんどは、結局、もとの牧場に もどされてしまいました。でも、いまでも、しあわせに くらしています。世のなかには、花の好きなうしもいるのです。また、かれを そのまま 受けいれる母親も 印象的です。

     ・・・

※『 はなの すきなうし 』 マンロー・リーフおはなし ロバート・ローソンえ 光吉夏弥訳  岩波書店   1954年

【 追記 】  『 はなの すきなうし 』を スペイン内戦 ( 1936 ~ 1939 ) と 結びつける解釈も あるようです。

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