ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 ねこって こんなふう? 』-いろいろな ねこが でてきます。

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動物たちから 見たら 
ねこは どう見えるのでしょうか? 
同じ ねこが、いろいろな姿で 出てきます。
わかりやすく おもしろい かがくの 絵本 です。
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こども から みると、ねこは こんな ふう?
それは 見慣れた ねこ。
でも、
いぬ から みると・・・
きつね から みると・・・
きんぎょ から みると・・・
ねずみ から みると・・・
 (ねこは、猛獣です。)
はち から みると、ふしぎ。
ねこは きっと こんな ふう!
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昆虫は、紫外線がみえるので、4原色(赤緑青+紫外線)です。ヒトは、紫外線が映しだす世界が みえません。
     
 おんなじ ねこでも
 ちがって みえる!!

     
とり から みると・・・
のみ から みると・・・
へび から みると・・・
スカンク から みると・・・
みみず から みると・・・
こうもり から みると、こんな ふう!
    
 おんなじ ねこでも
 ちがって みえる!!

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「ヒトの脳が 解釈している世界と、他の生き物たちの脳が 解釈している世界は 同じではありません。生き物は 周囲の世界について、それぞれ 独自に見て 固有の認識をしています。これを『 環世界 』と いいます。・・・ヒトと他の生き物とは 違う〈世界〉を 生きているわけです」。( 池谷裕二さんの 推薦の言葉 )
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ドイツの生物学者・哲学者、ユクスキュル(1864-1944)の「環世界」の考え方を やさしく解説しています。世界はひとつではないかもしれません。生物たちのいろいろな見方があります。見るものによって、同じ対象(ねこ)も異なって見えます。認識というものは、見る主体による対象の認識であって、主観と客観の相関関係の認識ということです。それは、私の見ている世界が、唯一の現実ではないことを教えてくれます。2017年の コルデコット賞オナー賞受賞作品です。
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※『 ねこって こんなふう? 』ブレンダン・ウェンツェル作、石津ちひろ訳 講談社 2016年 
【 追 記 】

小学校の中高学年以上の子どもたちに すすめます。しかし、年齢に関係なく、その子なりの楽しみ方をしてください。また、上のような認識に立った絵本に、高木仁三郎さんの『 ぼくから みると 』( 片山健 絵、福音館書店 )があります。このブログでも紹介しています。あわせて 読んでほしい 絵本です。
ふたつの絵本は、かがくの絵本ですが、同じ一つの水でも、それを見るものによって、その認識はさまざまであるという仏教の「一水四見」に通じます。  (2017/9/18)
      

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