ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 きたかぜと たいよう 』- こころの 扉を ひらくのは?

有名な イソップ寓話です。
ご存知の方も多いことでしょう。
ブライアン・ワイルドスミスの絵が、すばらしい絵本です。
     ・・・
きたかぜと
たいようは
ウマにのった旅人を 見かけました。
旅人は、新しいコートを着ていました。

 あのコートを ぬがせることくらい たやすいことだ、と北風。

 きみには できないと おもうがね、と太陽。

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きたかぜは ?
びゅー
びゅー
びゅー
ひとびとの帽子を 吹きとばし、
木の葉を とばし、
動物たちを こわがらせ、
港の船を 沈めました。
でも、旅人は、風に飛ばされないように、コートをしっかり。
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たいようは ?
やわらかい ひかりと ねつを だしました。
ミツバチやチョウは、舞い、
花は、開き、
鳥が、歌います。
どうぶつたちは、昼寝、
ひとびとは、外へでて おしゃべり・・・
そして、
たいようは、そのあたたかさで、旅人のコートを脱がせたのでした。
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コートは、人のこころの比喩でしょう。太陽は、その暖かさ(温かさ)で、旅人のこころの扉をひらく人物です。ここに「教訓」がある寓話です。でも、人の行動を外から操作しようとするところは、北風も太陽も同じように見えます。ここは、どうも腑に落ちないところです。
でも、子どもたちには、イソップ寓話集に出合ってほしいと思います。
  ( コートをしっかりと身につけさせる勝負だったら、
    北風の勝ちじゃない。 )
勝負の条件として、すこしおかしい気がするけれど、そうかもしれない。
      ・・・
※『きたかぜとたいよう』 ラフォンテーヌ文 ブライアン・ワイルドスミス絵 わたなべしげお訳 らくだ出版  1977年 (2016/4/2

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