ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 かえるが みえる 』- 言葉遊び、ストーリー、ユーモアの三重奏

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「かえる(蛙) ~える」と 韻を踏んだ言葉が 続きます。
言葉遊びの絵本ですが、ストーリーもあります。
     ・・・
かえるが みえる 
かえるに あえる 
かえるは はえる 
かえるは ほえる
かえるは こえる
かえるが かえる(ひっくり返る)
かえるは かえる(家へ帰る)
かえるは かえる(着替える)
かえるは かえる(お小遣いをもらって 買える)(下の絵)・・・
よゆ
かえるが、
見たり、
会ったり、
増えたり、
這ったり、
吠えたり、
越えたり、
ひっくり 返ったり
ふとったり、
お灸を すえたり、
孵ったり、
萎えたり、
舞ったり、
酔ったり・・・
ゆゆ
同音異義語の多い日本語の特色を逆手にとった言葉遊びです。
馬場のぼるさんのユーモラスな絵も魅力的。言葉遊びの世界を発展させ、ストーリーを語っています。絵による「補足と発展」(『てぶくろ』の画家・ラチョフの言葉)です。
また、ラストは 粋な感じです。
かえるに べえる(ベール)
かえるは そえる(添える)
かえるは まえる(舞える・かえるの結婚式のシーンです)
かえるも よえる(酔える)
かえるが きえる(消える)
      ・・・
※『 かえるがみえる 』 松岡享子作 馬場のぼる絵 こぐま社 1975年
【 追 記 】
かえるは「まえる(舞える)」「よえる(酔える)」「きえる(消える)」。色気のある終わり方です。作者もなかなかやりますね。また、似た趣向の絵本に『さる・るるる』(五味太郎作 絵本館 1979年)がありますが、読みくらべてみるのも面白いかもしれません。 (2017/2/27)

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