ふるはしかずおの絵本ブログ3

『レモンをお金にかえる法』 - 経済学のABCを学べる絵本!

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レモネードをつくることから始まり、
経済学の初歩と私企業の課題を学べる 
絵本 ?
絵本です。
      
 れいぞうこ より とりいだしたるは・・・ 
 たねは あるけど しかけは ない ただの レモン。 
 これをしぼって 水と さとうを くわえると・・・ 
 はい、レモネードの できあがり!

     
そのレモネードを売ることにしました。
レモンと水とさとうは 原料
レモネードは、1ぱい60円( 価格 )。
「50円しかだせないよ」の声で、市場価格は50円に。
売店を開くのに必要なのは、初期投資
自分のお金なら、自己資本
パパから借りたら、資本貸付けを受けたことに。
 (このあと、経済用語はどれでしょうか?)
ふぬ
ジョニーを雇うと、
ジョニーのやることは 労働、
きみのすることは 経営、
彼に払うお金は 賃金。
     ・・・
レモンしぼりのしごとは きついのに、賃金が安すぎるよ とジョニー。
労働争議が 始まり、
ストライキ、
ボイコット。
     ・・・
調停をうけ、きみは、ジョニーに歩み寄り、ジューサーを購入。
ジューサーは仕事を効率化し、自動化。
でも、ジョニーは失業。
ふぬあ
腹をたてたジョニーは、じぶんの店をひらきます。
すると、かれは、競争相手。
その後は、
安売り、
値下げ競争、
価格戦争、
けっきょく、ふたつの店は、合併。
   ・・・
夏がおわり、だれもレモネードを欲しがらない。
資産流動化するときです。
資産とは、きみの利益、あまったレモンやさとう、ジューサー、コップ、お店等々。流動化とは、これらを売ってお金にかえること。
きみは、企業家として成功。
資金と信用を手にいれ、
バカンスへ。
ふぬ
経済学の初歩を、ただしくやさしくおもしろく教えていることに感心しました。それに、小説でもめずらしい2人称視点です。きみと呼ばれる商魂たくましいおんなのこ。ビル・バッソは、魅力的な「きみ」を描きました。この絵本に取り上げられている、その他の経済用語です。消費者、製品、商売、小売り、卸売り、利益、妥結、交渉、決裂、妥結の条件・・・
小学校高学年の児童・中学生向けの絵本です。
      ・・・
※『レモンをお金にかえる法』 ルイズ・アームストロング作、 ビル・バッソ絵、佐和隆光訳 河出書房新社 1982年 (2016/7/7) 
【 追 記 】
巻末に、翻訳者の佐和隆光さんの解説があります。その中の一節ですが、アメリカ論です。
「アメリカという国は、およそ230年前に、言語、文化、人種を異にする人びとが寄り集まって出来上がった国なのです。言い換えれば、アメリカには、古来、つちかわれてきた伝統やしきたりが存在しないのです。それゆえ、建国に当たって、皆が納得するような、わかりやすい社会文法(社会的ルール)をつくる必要があったのです。そうした社会文法は、合理的かつ公正でなければなりません。家計や企業が「合理的」に行動することが、経済学の大前提なのです。実際、アメリカ人の行動様式を見ていると、彼らは、まさしく経済学が想定する「経済人(ホモ・エコノミクス)」そのものなのです。」

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