ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ライフタイム いきものたちの一生と数字』-数字から見る生物の生態

1

表紙の キリン。
よく見ると、模様に 番号が書いてあります。
いくつあるのでしょうか。
200!
絵本の中には、びっくり、ヘー の 数字が ならんでいます。
ユニークな数字の絵本、かがくの絵本です。
     ・・・
クモ、1
トナカイ、10
アルパカ、20
キツツキ、30
ガラガラヘビ、40
カンガルー、50
バンドウイルカ、100
キリン、200
ワニ、22と550
アゲハチョウ、900
タツノオトシゴ、1000
     ・・・
それぞれの動物が、一生のあいだに、何かをする数です。
なんの数字なのでしょうか。
      ・・・
クモ( ニワオニグモ )の1は、たまごを包む ふくろの数。
     
 いっしょうの あいだに
 この クモは たまごを つつむ
 うすい ふくろを 1つだけ つくります。
 こわれやすいから、さわらないで!

     
トナカイの10は、角を落とす回数。
2
アルパカの20は、毛を刈る回数。
キツツキの30は、木にあける穴の数。
ガラガラヘビは、 音をならす節の数、40。
カンガルーの50は、あかちゃんの数。
バンドウイルカは、100本の歯。
キリンの200は、網目もようの数。
ワニは、22の巣、500の卵。
アゲハチョウの900は、蜜を吸う花の数。
タツノオトシゴの1000は、赤ん坊の数です。
3 
でも、こんな数字を知って何になるの?
福岡伸一さんの解説によると、いきものの子孫ののこし方には、2つのタイプがあるそうです。たくさん子どもをつくるタイプ(タツノオトシゴ)と、少ない数の子どもで、大切に守り育てるタイプ(人間)です。生涯にうむ子ども(卵)の数は、その生態と関連しています。数字が、いきものたちの生き方、食べること、子孫をのこすことと結びつき、意味を持ってきます。これで 納得 !
       ・・・
※『ライフタイム いきものたちの一生と数字』 ローラ M.シェーファー文、 クリストファー・サイラス・ニール絵  福岡 伸一訳  ポプラ社 2015年
【 追 記 】
巻末に、動物たちの詳しい説明もついていて、勉強になります。ニワオニグモのメスがつくる「卵のう」は、一生に1つだけですが、春になると、そこから300~900匹のクモの子どもが生まれるそうです。ニワオニグモの平均寿命は、約6ヵ月。短いですね。 (2016/5/23)

SHARE