ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ダーウィン』- 進化論はどのようにしてうまれたか

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チャールズ・ダーウィンの伝記絵本です。
語り手の説明ダーウィンの日記と手紙など で構成されています。
    
        
ダーウィンは、幼いころから 石やコインを あつめるのが大好き。化学実験は、いちばん興味のあることでした。あやしげな 気体や化合物をつくっていたので、あだ名は、
ガス
    
学校の成績が悪い チャールズ。
16歳のとき、父親に寄宿学校を やめさせられました。そして、医者になるために エジンバラ大学へ。でも、医学の勉強は退屈でした。2年後に退校。こんどはケンブリッジ大学へ。 意外にも 牧師になるためでした。そして、猛勉強をして卒業します。在学中に植物学のヘンズロー教授と親しくなり、教授の紹介で、世界一周の船旅にでます。
有名な ビーグル号の 航海です。
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世界各地の探検し、さまざまなものを集める ダーウィン。
化石や植物。
昆虫や鳥。
絶滅した動物の骨。
ガラパゴス諸島では、鳥。
メモや集めたものを イギリスのヘンズロー教授に 送りました。
出港から5年。
     
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探検から帰った ダーウィン。ガラパゴス諸島から もちかえった鳥が、姿・形は違うのに、すべて同じフィンチだったと知って驚きます。おなじ祖先から生まれて、なぜ、すこしずつ変わってきたのだろうか? 聖書は、創造主である神が、すべて今ある姿のまま作ったと 教えています。ダーウィンの考えは、聖書の教えに反しています。でも、彼は確信します。生物は、長い時間をかけて少しずつ形を変えてきたと。秘密のノートに、その考えをまとめていきました。
     
 すべての種が 変化する。
 これは進歩 なのだろうか?

     
秘密のノートは、どんどんふえていきます。
でも、種が形を変えるとして、その原因はなにか。これがいちばんの疑問でした。
     
 有利な特長を 備えたものが 生きのこり、そうでないものは ほろびていくという考えを とつぜん思いついた。
 その結果 新しい種が できていくにちがいない。

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1859年『 種の起源 』発表。反発・反論が起こりましたが、ダーウィンはさらに『人間の由来 』(1871年)という本を執筆して自説を「進化論」と呼びました。
     ・・・
すこし長い絵本ですが、ビーグル号に乗船するまでのダーウィン〈はじめ〉、ビーグル号の航海〈つづき〉、進化論の発表とその後〈おわり〉の3部で構成されています。好きなものには、とことんのめりこむ人。興味のないものには、まったく手を出さないダーウィンの人物像が浮かび上がってきます。
「種の変化」「自然選択説」など、「ダーウィンの理論は、わたしたちの世界を見る目を永遠に変えて」しまいました。
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※『ダーウィン』 アリス・B.マクギンティ文 メアリー・アゼアリアン絵 千葉茂樹訳 BL出版 2009年
【 追 記 】
本文中の1~3の記号は〈はじめ〉〈つづき〉〈おわり〉の3部をわかりやすく示すためにつけたもので、絵本にはありません。小学校高学年向けです。  (2018/9/30)

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