ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ぼく、だんごむし』- こんなことまで知らなかった!

『ぼく、だんごむし』のタイトルが示すように、だんごむしがぼくになって語る一人称視点です。だんごむしの声を聞いてみましょう。

      ・・・

ぼくは、

植木鉢のしたが住処なんだ。

ぼくたちの食べ物は、枯れた植物、死んだ虫、食べもののかす。

ペットフード、新聞紙、ダンボールも食べるよ。

「自然のそうじや」です。

      ・・・

食べると、すぐにうんちをするんだよ。

四角い うんちをね。

それから、

育つのに必要なコンクリートや石も食べるよ

 ( そうなんだ。)

     ・・・

ぼくたちの敵は、アリ。

かたい殻をまるめて、身を守るんだ。

だけど、かえる、とかげ、鳥には、この方法はつかえない。ひとのみされてしまうから。

 ( きびしいんだね。)

ぼくたちは、なんかいも脱皮して、おおきくなる。

脱皮した殻はかならず食べる

栄養があるからね。

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ぼくたちは、おとなになると、結婚して、たまごを産む。おかあさんは、おなかの下の薄いまくに たまごを産んでたいせつにそだてるよ。

あかちゃんは、ごま粒みたい。

でも、おかあさんにそっくり。

      

それから、ぼくたちは、昆虫ではなくて、かにやえびの仲間なんだよ。

 ( へえ、はじめて知った! )

      ・・・

寒い冬は冬眠するんだ。

ぼくたちのこと、わかってくれた。

 ( よく、わかりました。)

ぼくたちのこと、飼ってみない? 飼うのは簡単だよ。でも、秋の終わりになったら、もとのところに返してね。冬は、やっぱり、仲間といっしょにすごしたいから。

子どもたちに人気のだんごむし。だんごむしの生態がよく分かりました。「こんなことまでは知らなかった」ことがいっぱいでした。「ぼくたちは のはらや、はやしより、にんげんが くらしているところのほうが すみやすいんだ」と言っていましたが、その理由も分かりました。脱皮に2日かけ、最初の日に後ろの皮をぬぎ、つぎの日に前の皮をぬぐことも知りました。

ただしい、わりやすい、おもしろい、かがくの絵本です。

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※『ぼく、だんごむし』 得田之久作、たかはしきよし絵、福音館書店

2005年  (2022/3/26)

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