ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ほげちゃん』-「ぶさかわいい」ってこれ?

「へんなかお」

「わあ、かわいい」

表紙の「ほげちゃん」。かなりのインパクトがあります。

       ・・・

ほげちゃん」とは、

おじさんから、ゆうちゃんに届いたぬいぐるみのことです。

「カバなんて、ゆうちゃん きにいるかしら」とママ。

「なまえは・・・ほげちゃんいうのはって どうだい?」とパパ。

 

ゆうちゃんは、

ほげちゃんを気に入りました。

だっこしたり、

手をつないだり、

味見をしたり(ほげちゃんを噛んでいます)、

本を読むのも、でんしゃごっこも、おさんぽも一緒です。

      ・・・

きょうは、家族でお出かけ。

でも、ほげちゃんと猫のムウは、おいてきぼりです。

「ゆるせない-!」

ほげちゃんの不満が大爆発!

こんないえ、めちゃくちゃの ぎったぎたの ばっこばこに してやる

ほげちゃんが豹変します。

大あばれです。

「ケチャップを まきちらして、このいえを もっともっと きたなくしちゃうんだから!」

       ・・・

ところが、

猫のムウが、ケチャップを踏んでしまったのです、

ケチャップが、ほげちゃんに

ぶわわわわわわ-

「やられた……」

ケチャップが、ほげちゃんのからだに染みこんで、

ほげちゃんは動けなくなりました。

       ・・・

みんなが帰ってくると、ケチャップまみれのほげちゃんを発見しました。

「ほげちゃんが たいへん!」

ママとゆうちゃんは、ほげちゃんを丁寧に洗いました。

そして、

すっきり、さっぱりのほげちゃんは、つぶやきます。

「きょうは なんだか たのしかった」

憎めないキャラクターのほげちゃん。思わず笑ってしまう愛嬌たっぷりの人物です。 子どもたちの笑いを引き出すこと、確実です。 ほげちゃんは「ぼくは カバじゃなくて クマなのに!」と言っています。ほげちゃんは、カバではなくクマでした。( ほげちゃんが、クマだとは考えませんでした。ごめんなさい。)

 

やぎたみこさんの他の作品に、不思議な生きもの「くうたん」がでてくる絵本(『くうたん』)があります。「ほげちゃん」も「くうたん」もふつうの家族にやって来た闖入者です。ひと騒動が起こります。「くうたん」は去って行きましたが、「ほげちゃん」はゆうちゃんに愛され、家族の一員でいることでしょう。 『くうたん』にはファンタジックなところがありますが、『ほげちゃん』の方は現実的です。

       ・・・

※『ほげちゃん』 やぎたみこ作、偕成社 2011年 (2021/10/12)

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