ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ふしぎなナイフ』- みんな、びっくり Σ(´∀`;)の絵本

「ふしぎなナイフ」って、どこが不思議なのでしょうか。

どこにでもありそうな一本のテーブルナイフです。

かたくて、

切れる、

ナイフ。

これが常識。


でも、絵本のナイフは形を変え、性質を変えていきます。

まがり
ねじれる
おれる
われる
とける
きれる

でも、「きれる」のはナイフの方です。


ほどけ

ちぎれ

ちらばる

そして、

のびて

ちぢんで

ふくらんで・・・

      ・・・

ページをめくるたび、ナイフの変化にびっくり Σ(´∀`;) します。常識を裏切る発想に魅力を感じます。

   

「もし~ならば、どうなるだろう」という発想は、ジャンニ・ロダーリのファンタジーの文法でしたが、 「もし、ナイフがまがったら( ねじれる、おれる、われる・・・ )、どうなるだろう」と発想すると、この絵本から新たなおはなしが生まれるかもしれません。

   

最後は、ふくらんだナイフがガラスのように割れてしまいますが、絵本の読みかたる場合、もう一度表紙に戻ってみてください。元通りのナイフになります。手品を見ているようになります。また、ページごとにオノマトペをつけてみたら面白いと思います。曲がるところは「ぐにゃ」、折れるところは「ぱきっ」、溶けるところは「どろどろ」・・・

条件を変えると、ナイフがこのように変わるのはありそうなことかもしれません。

※『ふしぎなナイフ』中村牧江/林健造作、福田隆義絵、福音館書店 1997年 (2021/2/27)

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