ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 ひとつ 』- ONLY ONE 

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タイトルは「ひとつ」。
絵本に触発されて、「ひとつ」についての考察を加えました。
     ・・・
かぞえきれないほど ほしはあるけど 
そらは ただ1つだけ

 ( たしかに! )
50000匹のミツバチ 群れると1つ。
500個の種があるかぼちゃも かぼちゃは1つ。
はぎれ100枚、でもキルトは1まい。
      ・・・
たくさんのものも、見方を変えると ひとつです。
卵12個 1ダース
選手が9人 チームは1つ
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まめが7つぶ 1つのささやに
宝石6こつなげて ネックレス1つ
車輪4つで 馬車1だい・・・
    
 でもさいこうの1は
 ひとりっきゃいないぼく
 ひとりっきゃいないきみ

 ONLY ONE
     
『 ひとつ 』の内容はとても論理的です。
でも、さいこうのひとつは「ひとりっきゃいないぼく/ひとりっきゃいないきみ」と言っています。ここに作者の思想を見ることができるように思います。ぼくときみの「ひとつ」(ひとり)です。あなたは あなた、ぼくは ぼく。一人一人を尊重する精神が見えます。『 ひとつ 』の紹介はここで終わりです。
321 ここから先は蛇足です。絵本から触発をうけた、ONLY ONE についての わたしの連想 です。あなた(ぼく)には過去があり、今があり、未来があります。あなた(ぼく)は過去・現在・未来をその内にもち、いまを生きています。可能性があります。あなた(ぼく)はいろいろな名前で呼ばれています。いろいろな役割を果たしています。さまざまな関係のなかで生きています。
ONE for ALL, ALL for ONE. 
もう少しすすめて考えてみます。
ONE is  ALL,  ALL is  ONE.
絵本『 ひとつ 』はなにも言っていませんが、一即一切・一切即一(華厳経)につなげて考えます。  
       ・・・
※『 ひとつ 』 マーク・ハーシュマン作、 バーバラ・ガリソン絵、谷川 俊太郎訳、福音館書店 2010年
【追記】
大辞林の「華厳経」の解説から。「世界を毘盧遮那仏の顕現として、一塵の中に全世界が宿り、一瞬の中に永遠があるという。一即一切、一切即一の世界観を説く。」  (2019/1/22)

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