ふるはしかずおの絵本ブログ3

『はしれちいさいきかんしゃ』 - 子どもの心をつかむ 機関車の冒険
44

『 つきの ぼうや 』で有名なオルセンの乗り物絵本です。
       ・・・

大きな駅に、
小さなきかんしゃが、いました。
とても小さかったので、遠くへ行かせてもらえませんでした。
せめて、となりの まちまで いきたいな(これが動機)
と、ため息をつきました。
       ・・・
ある朝、
小さいきかんしゃは、機関士をおいて
ポーッ、しゅっぱあつ! と走りだしました。
ダダグン シュッシュッ !

44

ホームを 走りぬけ、 町を抜け、田舎へ。
小さなきかんしゃが 見たものは、
鳩のいえ
袋をかついだおじいさん。
鴨とバケツ。
ぎざぎざ屋根と 白い雲。
牧場のおとこのこ。
砂利の山。
子うしとかあさんうし。
走る馬・・・・

     

それから、線路を飛び出し、
ズズズン  シュッシュッ
こんどは、地面の上。
イェンセンさんの家の 台所 へ。
料理にいそがしい イェンセンさんは、
だあれ。 あしふきで どろを おとして いらっしゃい
22
きかんしゃに 気づいた奥さんは、
キャーッ
小さいきかんしゃは裏口から飛びだし、洗濯物もみの木をのせ、隣の町へ。トンネルを抜け、鉄橋を渡って、イェンセンさんに、洗濯物をわたし、牧場で男の子にクリスマス・ツリーを落としてあげます。家まであとひといき。
でも、もう、へとへと。

シーッシッシッシッ。 プスプス・・・プスン
出発点にもどって、ただいま!
477
冒険したい子どもたちの心をつかむ、ちいさな機関車。子どもたちは動きのあるものが大好きです。たたみかけるようなテンポのよい絵本です。子どものこころは、きっとこの機関車の行動する姿に釘づけになることでしょう。ユーモアもあります。あすすめの乗り物絵本です。

      ・・・

※『はしれちいさいきかんしゃ』 イブ・スパング・オルセン作 やまのうちきよこ訳 福音館書店 1979年  (2019/5/29)

SHARE