ふるはしかずおの絵本ブログ3

『つきのぼうや』-上から下、下から上へのイメージの流れ

スリムな 縦長の 絵本。

このかたちを いかして、

つきのぼうやが 空からおりてきます。

     ・・・

おつきさまが よぞらに のぼりました。

   ( 満月です )

おつきさまは、

つきのぼうやに

池に うつる もうひとりの つきを  

つれてくるように 頼みました。

     ・・・

   ともだちに なりたいのだ 

     ・・・

つきのぼうやは、

  空を かけおりていきます。

  星を けとばし、

  雲で ひとやすみ、

  飛行機、

  鳥の群れに であい、

  風に とばされ、

  こうもり、

  こがねむし、

  ことり、

  とんぼ、

  たんぽぽの たね、

  ふうせんにも

  あいました。

   ( ぼうやと いっしょに 空の旅。 )

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     ・・・

女の子から リンゴをもらったり、

煙突のけむりで 真っ黒に。

  4階

  3階

  2階

  1階。

「 ひゃあ、 そらから おとこのこが ふってきた 」

          ・・・

こんどは 

       ばしゃーん!

みずの なか。

みずの そこで

てかがみを 見つけました。

    わあ、 なんて かわいらしい おつきさまだ !  

     ・・・

そして、

つきのぼうやは、

空たかく のぼっていきます。

おつきさまは、

かがみ に うつる自分を 見ていいました。

    なんと りっぱで うつくしい かただろう !   ( 笑い )

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     ・・・

つきのぼうやの 大冒険。

縦長の 形式と  

おはなしは  

ぴったりと 対応しています。

また、

同じ画面に ふたりの つきのぼうやが います。

絵巻物にもある 異時同図です。

画面に うごきが うまれます。

そして

視線は

うえから したへ。

したから うえへ。

視線の 変化、

人物の うごき、

読者の 意識が

イメージの流れを うみだしています。

1962年、  デンマークで出版された すてきな絵本です。

     ・・・

※『 つきの ぼうや 』  イブ・スパング・オルセン作・絵 やまのうちきよこ訳  福音館書店 1975年

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