ふるはしかずおの絵本ブログ3

『こねこのぴっち』-「ここが、いちばん いいところだ」

スイスの画家ハンス・フィッシャー(1909-1958)の絵本です。

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はじめに、主な登場人物を紹介します。

 りぜっと おばあさん

 おとうさん猫の まり。

 おかあさん猫の るり。

 5匹の子猫は、

 ぐりぐり、ぐろっぎ、ぱっち、みっち。

 いちばん小さく、おとなしい子猫は ぴっち

 そして、犬のべろ。

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ぴっちは、

子猫の兄弟たちと同じことをしたくありません。

そこで、家を出ていくことにしました。

おばあさんのところには、いろいろな動物がいます。

ひよこと遊びたい ぴっち。

おんどりになりたい ぴっちは、

こけこっこー!

やぎにであった ぴっち。

「ぼく、やぎになって みたいなあ!」

やぎは、自分の鈴を ぴっちに貸してあげます。

でも、乳をしぼられる姿を見て、ぴっちは逃げ出しました。

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つぎは あひる

あひると遊んで、ぴっちはびしょぬれになりました。

その次は、うさぎ

遊んでいるうちに

うさぎ小屋の鍵をかけら、ぴっちは閉じ込められてしまいました。

    

夜、

きつねとふくろうがやってきます。

ぴっちは、「にゃーお、にゃーお」と怖くなって大声で鳴きました。

犬のべろが、ぴっちの声に気がつきました。

おばあさんがあかりをつけると、悪いけものたちは、逃げて行きました。

    

ぴっちは、

濡れたからだを拭いてもらい、ミルクをもらいます。

でも、

次の日、

ぴっちは、重い病気になってしまいました。

みんな、ピッチのお見舞いです。

みんな、心配しています。

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ぴっちは、

少しづつ良くなりました。

そして、子猫の兄弟たちと 遊べるようになります。

お祝いの会もひらいてもらいました。

それからというもの、

ぴっちは、

猫よりほかのものになるのをやめよう、と思います。

他所へ行くこともやめました。

ここが、いちばん いいとろだ」と思ったのです。

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ぴっちは、りぜっとおばあさん、ぴっちの家族、べろに愛されていることに気づきました 。 また、「ここが、いちばん いいとろだ」ということわかりました。でも、それは、ぴっちがいろいろと経験してみて、やってみて、わかったことです。

  

絵本の中に子どもの大好きな食べるシーンがあります。クリームが山のようにかかったカステラはとても美味しそうです。

また、犬のべろは、りぜっと おばあさんの毛糸の糸巻きを手伝っています。同じことをわたしもした経験がありました。懐かしく思い出します。母はセーターを編むのが得意でした。

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※『こねこのぴっち』ハンス・フィッシャー文・絵、石井桃子訳、岩波書店 1987年

    

【 追 記 】

『こねこのぴっち』の初版は1948年(日本版は1954年)です。ハンス・フィッシャーには『ブレーメンのおんがくたい』『たんじょうび』『長ぐつをはいたねこ』(いずれも福音館書店)もあります。  (2020/10/31)

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