ふるはしかずおの絵本ブログ3

『くんちゃんのはじめてのがっこう』-くんちゃんの不安と自信

きょうから ぼく がっこうへ いくんだ」。

初めて 学校へ行く、くんちゃんの1日です。

      ・・・

くんちゃんは、 お母さんと家を出ました。 

ごきげんなくんちゃん。

でも、学校につくと、

くんちゃんは、おかあさんにも いっしょに いてほしいと思いました。

 

上級生が教科書をよみます。

くんちゃんは さされると 困るなと思います。

字が読めないから、ちいさくなりました。

字もかけません。

算数の計算もできません。

くんちゃんは もっと もっと ちいさくなりました。

      ・・・

一年生の、くんちゃん、スージー、ハリエットが、教室の前によばれます

くんちゃんは、不安で、

教室から 飛び出てしまいました。

でも、

窓からのぞいています

 (先生は動じることなく、授業を続けます)

     

「くんちゃんの「く」で はじまる ことばを しっていますか?」

と先生が言うと、

くんちゃんが 窓の外から 叫びました。

 

くま、くるみ、くまんばち!

 

先生はにっこり。

「はいっていらっしゃい、くんちゃん。」

先生は、くんちゃん、スージー、ハリエットに言います。 

「じぶんの なまえと おなじ おとで はじまる ものの えを かきなさい」

       

「とても よく できましたね、くんちゃん」

      ・・・

次の日、くんちゃんは、ひまわりを持って 学校へいきます。

これ、せんせいに あげるんだ

 

        ・・・

初めて学校に行くくんちゃんの緊張感や不安感が伝わってきます。子どもの気持ちがよく描かれています。くんちゃんの中に子どもを見ます。子どもの中にくんちゃんを見ます。くんちゃんは典型的な人物です。

    
くんちゃんの行動を受け入れる先生にも共感します。

 

4月には、多くの「くんちゃん」が 日本中にいたことでしょう。5月になったいま、小学校にみんな元気に通っていることを願います。

      ・・・

※『くんちゃんのはじめてのがっこう』ドロシー・マリノ作・絵、間崎ルリ子訳、ペンギン社 1982年

 

【 追記 】

くんちゃんシリーズです。

『くんちゃんの だいりょこう』   石井桃子訳   1977年  岩波書店

『くんちゃんとふゆのパーティー』 あらいゆうこ訳 1981年 ペンギン社

『くんちゃんのはじめてのがっこう 』 間崎ルリ子訳 1982年 ペンギン社

『くんちゃんのもりのキャンプ』  間崎ルリ子 訳 1983年 ペンギン社

『くんちゃんはおおいそがし』   間崎ルリ子訳 1983年 ペンギン社

『くんちゃんのはたけしごと』   間崎ルリ子訳   1983年 ペンギン社

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