ふるはしかずおの絵本ブログ3

『あっ おちてくる ふってくる』- ふってくるのは、雨、雪?

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おちてくる ふってくるものって、一体 なんでしょうか ?


落葉・・・
子どもたちに、たくさん 言ってもらいましょう。
( 子どもたちは… )
もう、絵本を見たくなっていますね。
       ・・・
はなびらが、テーブルのうえに 音もなく 落ちてきます。
風に 舞って たのしげに。
このあと、絵本のなかで、たくさんのものが 落ちてきます。 
噴水からは、水。
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りんごが、落ち、
砂のお城は、崩れます。
木の葉と どんぐり、
雪、
雨、
影、
夜のとばりが 落ち、
星(流れ星)が ふってきます。
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編み物をしている おばあさんの手から 毛糸の玉が 落ち、
居眠りをする おとうさんの手から 本が 落ち、
ジミーの 積み木の家が くずれます。
      ・・・
朝、おとうさんが ジミーをだきあげ、ぽーんと ほうりあげます。
あっ、ジミーが おちる!
でも、
もちろん、ジミーは おちません。
おとうさんは ジミーを しっかり 受けとめます。
 (ここだけ 落ないんですね。)
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春・夏・秋・冬、
雪の日と雨の日、
朝、昼、晩、そして 夜。
絵本の中の、子どもたちは、みんな楽しくあそんでいます。さかなやリス、雪や流れ星も 見ています。その姿は、とても 生き生きしています。
そして、心温まるラスト。「 おちてくる ふってくる 」のは、ものだけではないんですね。ジミーを 愛するおとうさんの 愛情 もそうです。詩的な文章と やさしいタッチと色合いの 絵。『 どろんこ ハリー 』のコンビ、ジーン・ジオンとマーガレット・ブロイ・グレアムの デビュー作( All Falling Down 1952年 )です。65年も前の絵本ですが、子どもを慈しむこころは、いまもむかしも変わりません。コルデコット・オナー賞を受賞した絵本です。
      ・・・
※『あっ おちてくる ふってくる』 ジーン・ジオン文、 マーガレット・ブロイ・グレアム絵、まさき るりこ訳 あすなろ書房 2005年  (2017/10/03)

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