五味太郎さんに 『 言葉図鑑 』 （全10巻） という絵本があります。

動詞、 副詞、 形容詞から、 助動詞、 名詞まで、 言葉の 「百科全書」 です。

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そのなかから、『たとえのことば』（７巻）を紹介します。

なぜか、はじめからおわりまで、

ライオンを例にあげ、

ライオンも感心するほど、数多くの比喩がならんでいます。

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　　にんげんのような　  ライオン

　　ねこみたいな　        ライオン

　　ねずみぐらいの　     ライオン

　　かえるににている　  ライオン

　　オットセイほどの　　ライオン

　　ぶたっぽい　           ライオン

　

　　植物そっくりの　     ライオン

　　おにのごとき　        ライオン

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　　ロボットもどきの　   ライオン

　　ゴジラばりの　        ライオン

　　ライオンらしい　     ライオン

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現実のライオンは、  これも比喩を使うならば 「百獣の王」。

しかし、  この絵本のライオンは、

まったく、  わいしょう化、

こっけい化された人物として    登場します。

ライオンの 「百面相」 です。

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「 ぶたっぽい　ライオン 」。 （笑）

ぶたでもあり、

ライオンでもあります。

矛盾する    ふたつの    ものが、

絵のなかで、   びみょうな均衡で    表現されています。

五味太郎さんの    力技。

落差のあるイメージが、

絵本のユーモアを    生みだしています。

絵のユーモアは、  この絵本の    魅力の    ひとつです。

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この絵本から、  ことばあそびを    引きだしてみましょう。

たとえる ことば （ Ｘ ）

たとえられる ことば （ Ｙ ） を

カードにして   たくさん   書いておきます。

それら を

 Ｘ  のような  Ｙ、

Ｘ っぽい  Ｙ、

Ｘ  ぐらい  Ｙ、

Ｘ  そっくりの  Ｙ ・・・

という比喩のなかで、   自由に   組み合わせてみます。

Ｘ と Ｙ の意外な関係が   あらわれてくるかも   しれません。

ユーモアあり、

笑いあり、

面白いイメージが あらわれるかもしれません。

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さいごは、

「 ライオンらしい　ライオン 」。

ライオンのかわりに 「わたし」 をいれてみます。

「わたしらしい　わたし」とは？

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数々の比喩で、 「 わたし 」 を表現しなおしてみましょう。

「 ～ のような　わたし」

「 ～ ていどの　わたし」

「 ～ のごとき　わたし」

「 ～ ににている　わたし」

「 ～ かおまけの　わたし」・・・

きっと、 おもしろい 「 わたし 」 が    とびだしてくることでしょう。

これらの比喩が、 「 わたし 」 に対する認識を   深めるかもしれません。

たのしい   ことばあそびを   つくってみてください。

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五味太郎 『 言葉図鑑 』 （全１０巻）  偕成社　　1987年発行

１．うごきのことば （動詞）

２．ようすのことば （副詞）

３．かざることば（Ａ） （形容詞）

４．かざることば（Ｂ） （形容動詞）

５．つなぎことば （助詞）

６．くらしのことば （挨拶語など）

７．たとえのことば （比喩）

８．かくれたことば （暗示・省略された語）

９．しっぽのことば （助動詞）

10．なまえのことば  （名詞）

　　（2014/1/15）