ふるはしかずおの絵本ブログ3

『森の小さなアーティスト』-昆虫の擬態

image

昆虫の擬態の  写真絵本です。

          ・・・

コノハムシ の 翅脈は、  はっぱに葉脈に   そっくり。

今森さんによると、 オスには、 うすい羽が あって飛べます。

「 しかし、 メスには、 後羽がないのでとべません。 コノハムシのメスは、

木の葉になるために 羽までなくしてしまったのです 」。

おもしろい虫ですね。

進化の不思議です。

          ・・・

擬態とは

「 ある種の生物が 自分以外の 何物かに 外見( 色、 模様、 形 )や におい、 動きなどを似せることで、 生存上の利益を得る現象 」のこと。

 

枯れ葉    そっくりの     カレハバッタ、   カレハガ

小枝と  みわけがつかない     ナナフシ、    シャクトリムシ

幹の模様に  そっくりな     キノハダキリギリス

 

これらの昆虫は、   目立たないことで、  

 敵に襲われることを    防いでいます。

こうした カモフラージュの   機能をもつ   擬態のことを、 

隠微的擬態 と いいます。

          ・・・

擬態の  もうひとつの働きは、

わざと目立つことで、   身を守ることです。

標識的擬態 と いいます。

今森さんは、  こんな例を紹介しています。

 

「 スカシバガのなかまは、   みかけだけでなく、   とんでいるときも ブゥオーンという、   オオスズメバチそっくりの  羽音をたてて とびまわりますから、   ちょっとみやぶれません 」。

 

外見 (色、模様、形) だけでなく、

羽音や 動きまで 似せると いうのです。

驚きです。

           ・・・

擬態というと、   身を守る    イメージですが、

えものを    とるための    擬態もあります。

これを    攻撃擬態 と いいます。

今森さんの絵本には、

ハチをつかまえる     ハナカマキリの例が     のっています。

花そっくりに なって、

虫を おびき寄せるのです。

        ・・・

それにしても、 昆虫たちは、

どうして 植物に 似せたり、

他の虫に  似たりするように   なったのでしょうか。

他のものに 似るような 形質は、

どのような   内的なメカニズムによって 現れるのでしょうか。

この問題は、 実は難問で、 まだよくわかって いないようです。

         ・・・

この絵本に 載せられた 昆虫は、

ペルー、

コロンビア、

ブラジル、

マレーシア、

フィリピン、

そして

日本で 撮られたものです。

ひとつひとつの写真が、 手間ひまかけて 撮影されたものに ちがいありません。

これらの昆虫は、

すばらしく 個性的な 自然のアーティスト 。

そして、

自然を見る目を 豊かにしてくれるのです。

        ・・・ 

※『 森の小さなアーティスト 』    今森光彦文・写真、   福音館書店  1996年

擬態をするのは、  昆虫だけではありません。  鳥、 獣、 サカナのなかにもいます。   中村庸夫さんに  『 水中の擬態 』  ( 平凡社 )  と いうすばらしい写真集があります。

また、海野和男さんの『 昆虫の擬態 』( 平凡社 )も すばらしい写真集です。 擬態の写真を撮ることは、海野さんの学生時代からのライフワークだそうです。

image

 

 

SHARE