ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 わたし 』 - ずばり、「わたし」とはだれか?

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この絵本の「 わたし 」は、たくさんの 名前( 呼称 )を 持っています。

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おとこのこから    みると / おんなのこ

      あかちゃんから    みると / おねえちゃん

      おにいちゃんから  みると / いもうと

      おかあさんから     みると / むすめの みちこ

                ・・・

      がいこくじん          みると / にほんじん

      うちゅうじんから    みると / ちきゅうじん

      えかきさんから     みると / もでる

・・・ まだまだ、    つづきます。

・・・

おなじ 「 わたし 」 が、相手によって呼称が 変化しています。実体はひとつでも、視点との関係によって呼称が違っています。「 わたし 」 という存在の多様性 を示しています。

・・・

多くの呼称をもっている「 わたし  は、

言いかえれば、

多様な人間関係を生きているともいえます。

わたし( 人間  は社会的な存在です。

・・・

ところで、「 わたし 」とは、誰なのでしょうか。

おんなのこ、

おねえちゃん、

いもうと、

むすめのみちこ、

おともだち、

せいと、

おきゃくさん  ・・・

と呼ばれているすべてを集めたものが、

「 わたし 」 なのでしょうか。

・・・

「 わたし 」とはいったい誰なのか、これらの多様な呼称をもっている「 わたし 」の 同一性、共通性は何か、という 哲学的な問題を含んでいます。でも、これは大人の問題です。

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5歳の「わたし」にとって、「わたし」とは やまぐちみちこ です。固有名詞はだれから見てもかわりません。それは「 わたし 」なのです。

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絵本の絵は 長新太さん。

ユーモアは彼の絵本の魅力です。

新聞を読んでる おかあさん、

料理をしている おとうさん。

そして、

がいこつの絵 ・・・

また、 人物たちは横目を使っています。「 わたし 」に しぜんと視線がむきます。

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『 わたし 』は、

「わたし」のまわりの世界について 考えたり、

「わたし」を客観的に見るきっかけを与えてくれる絵本です。

絵本の出版は1981年。親子2代の絵本になりました。

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※ 『 わたし 』 谷川俊太郎 文、 和田誠 絵、 福音館書店  1981年

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