ふるはしかずおの絵本ブログ3

『スイミー』-「わたし、スイミーと結婚する」

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「わたし、スイミーと結婚する」 と言った女の子がいます。

『スイミー』 の絵本の内容をしっかりととらえた言葉です。

          ・・・

   みんな あかいのに 
   一ぴきだけは からすがいよりも まっくろ

   でも およぐのは だれよりも はやかった。

   なまえは スイミー。

          ・・・

スイミーの人物像がでています。 真っ黒な スイミー。

だれよりもはやく泳げる スイミー。

元気のよい男の子のイメージが 浮かんできます。

これらの性格 (まっくろ、およぐのはだれよりもはやい) は、おはなしの伏線になっています。 
真っ黒なので、最後にスイミーは、 「目」になることができました。

だれよりも速く泳げたので、 まぐろから 逃げることができたのです。

 

あるひ、おそろしい まぐろに襲われて、 仲間のさかなたちは、 みんな食べられてしまいました。 スイミーは、 仲間を失ってしまったのです。

悲しい、つらい体験です。

 

しかし、 海のおもしろさを体験して、 スイミーはすこしずつ成長していきます。

     ・・・

    にじいろの  ゼリーのような くらげ

      すいちゅうブルドーザーみたいな いせえび

       ドロッブみたいな いわ

      ももいろの  やしのきみたいな いそぎんちゃく

     ・・・

 実際に海にいる (ある) のは、くらげ、いせえび、いわ、いそぎんちゃく。

でも、 「ゼリー」、「すいちゅうブルドーザー」、「ドロップ」、「やしのき」 のイメージで彩られています。

    にじいろ、

    ゼリー、

    ドロップ、

    ももいろ

「色」 を感じることのできることばです。

「かぜにゆれる ももいろの  やしのきみたいな いそぎんちゃく」。

「風」 まで、でてきました。あかるく、たのしい海のイメージです。

絵本は、この場面に、 6つの絵をあています。

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さて、後半は、

ひとまわりも、ふたまわりも、大きくなったスイミーです。

「おおきな さかなに たべられて しまうよ」と心配するさかなたちに、スイミーは、こう言います。

「だけど、 いつまでも そこに じっと してる わけには いかないよ。 なんとか かんがえなくちゃ。」

 

スイミーは考えます。

そして、 こんなアイディアを思いつくのです。

「みんな いっしょに およぐんだ。うみで いちばん おおきな さかなの ふりして!」

スイミーは仲間のさかなたちに、 いろいろなことを教えます。

かんがえ 教え、 行動するスイミーへと、 ますます、 成長していきます。

そして、「 みんなが 一ぴきの おおきな さかなみたいに およげるように なった とき 」、スイミーは言います。

        ・・・・・

 ぼくが、めに なろう。 (  I’ ll be the eye.)

         ・・・・・

スイミーの成長が、目に見えるようです。

「目」になるというのは、
自分が「からすがいより まっくろ」だからでしょう。

でも、読者は、ここに成長したスイミーを見ることができます。

「目」になるというのは、危険な役割かもしれません。否、きっとそうです。

このように大事な役割を、スイミーは、今、すすんで引きうけようとしているのです。

 

かんがえる スイミー、

教える スイミー、

行動する スイミー。

スイミーは、頼もしいリーダーです。

そして、冒頭の女の子にとっては、 結婚したい相手なのです

          ・・・・・・ 

※『スイミー』 レオ=レオ二作、谷川俊太郎訳、好学社 1986年

 

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